平均値の罠(゚Д゚;)
コラム 2019年7月4日 木曜日こんにちは。
香川県高松市 株式会社ダックス会計/吉田貴志税理士事務所の吉田です。
ついに梅雨の季節となり、九州地方を中心に大雨が降り続いていますね。
これ以上大きな被害が出ないことを祈るばかりです。
さて今回は、つい最近世間を賑わせた『老後2,000万円必要』という金融庁の
試算について書こうと思います。
ホントにそんなに足りなくなるのでしょうか?
あるいは、「実はもっと足りない」のでしょうか?
金融庁の試算では、65歳の夫と60歳の妻が、その後の30年間を無職のまま過ごす
というケースを想定しています。
70歳くらいまでは働こうかと思っている私的には、これだけでもかなり違和感の
ある内容ですが、もっと驚くのは収支の内訳です。
(ちなみに、収支の内訳は2017年の総務省家計調査の数値に基づいているようです。)
まず収支ですが、これは社会保障給付(つまり年金)が大部分を占めていて、
月額191,880円となっています。
その他の収支が17,318円、合計で209,198円です。
次に支出ですが、まず【食料品】に64,444円! えっ?!これ老夫婦ですよね?!
4人家族のウチより多いんですが・・・
(ゼクシィが2016年に行った新婚夫婦の食費平均は4.1万円です。)
食料品に次いで多いのは【その他の消費支出】で54,028円。
あとは【非消費支出】(税金や社会保険料など)28,240円、
【交通・通信費】27,576円、【教養娯楽費】25,077円、【水道光熱費】19,267円、
【保険医療費】15,512円、【住宅費】13,656円と続きます。
それらを合計すると、月当たりの支出は263,718円。
毎月54,520円足りないから30年間で約2,000万円足りなくなります、というのが
金融庁の試算の内容です。
確かに「全国民の平均」はそうなのかもしれません。
が、「平均値」の家計に近い状態の国民が一体どれほどいるのか、極めて疑問です。
まず、国民年金か厚生年金かでもらえる年金額は全然違ってきますし、持ち家か
賃貸かで住居費だって変わってきます。
食費や娯楽費なんてのも人によってかなり違ってくるでしょう。
平均値を基に作成したデータに踊らされることなく、一人一人が自分の老後に
必要な額を把握し、備えることが大事なのかもしれません。
香川県高松市の税理士・会計事務所
『あなたのまちの税理士さん』
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